Topics

2017/12/14

残業代ゼロ制度やホワイトカラー・エグゼンプションという言葉を覚えていますか?

一定の類型業務に従事する労働者を対象に、労働基準法で定められた労働時間規制の適用を除外する制度です。

この制度を盛り込んだ労働基準法改正案が第189回通常国会に提出される予定です。

新制度の名称は「特定高度専門業務・成果型労働制」(通称「高度プロフェッショナル労働制」)で、概要は次の通りです。

①対象業務は、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等

②年収基準は1075万円以上

③希望しない人には適用しない

④健康確保措置として企業労使は次の3つのいずれかを選択する

・終業から始業まで一定の休息時間を与える

・1カ月の労働時間の上限を設定する

・4週間を通じ4日以上かつ1年間を通じ104日以上の休日を与える

一見、多くの方は①②の要件で自分は対象外と思われると思いますが、実は、この①と②の要件の具体的内容は法律に明記されず、「省令」(各省の大臣が制定する命令)で規定することになっています。つまり、与野党の国会審議を経ることなく、その具体的内容を変更できるのです。

そうすると、対象業務が上記の業務以外に広がったり、年収基準の1075万円も引き下げられる可能性は十分にあり、いつの間にが自身が対象者に入っているかもしれません。安倍首相自身も、年収基準の引き下げ可能性を否定していません。また、日本経団連は当初、対象年収を400万円と想定していました。

この制度の導入により、成果報酬型の雇用活性による人件費削減、働き方の多様化などのメリットが考えられる一方で、非正規社員の増加、長時間労働の促進といった懸念も示されています。

無限残業が待っている?!