Topics

2017/12/14

法律事務所に所属せず、企業や行政庁に所属する弁護士をインハウス・ロイヤー(組織内弁護士)といいます。

米国では従前より普及していたインハウス・ロイヤーが日本でもここ10年間で109名(2004.3)から1079名(2014.3)(※)と10倍以上に増加しています。

企業法務を取り巻く環境の複雑化・高度化が進んだこと、粉飾決算や食品表示の偽装問題等の社会問題を契機に、コンプライアンス強化を意識する企業が増加したこと、法科大学院の設置により弁護士の人数が増えたこと等が原因として考えられます。

インハウス・ロイヤーを設けるメリットとしては、組織内の内情を把握していることから、問題点を把握し、日常業務へのフィードバックへと繋げていける点が挙げられます。

インハウス・ロイヤーが増加すると、企業等は外部の弁護士に依頼する機会は減少するように思われますが実はその逆で、依頼件数が増加するといわれています。

インハウス・ロイヤーが組織における法的問題を発見するため、外部の弁護士に依頼する件数が多くなるのです。知人の企業内弁護士からも、企業が成長しているときに限らず、複雑化する法社会に対処するには、社外弁護士と協同、または依頼して対応せざるを得ないとという話を聞きます。

目まぐるしい社会情勢の変化に応じて法制度の制定・改訂も頻繁に行われています。企業の成長のためには、規模の大小を問わず、日々複雑化する法律問題についての対策が必要不可欠といえるでしょう。

H.K.

(※)日本組織内弁護士協会(2014.7)

インハウス・ロイヤーの増加→依頼案件の減少?増加?!